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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ


部屋の前のチャイムを押すと、今度はすぐにドアが開いた。

と思ったら、顔が見える前に強く手首を掴まれて。

部屋の中に引っ張られた。

その勢いに、前につんのめって。

智の腕の中に飛び込んでしまった。

あの日以来の感触に、心臓が跳ね上がる。

智の体は、まるで外にいたように冷え切っていた。

「ご、ごめん…」
「…バカか、おまえ」

呆れ果てたと言わんばかりの声が、耳元で響く。

「入れてくれて、ありがと」

ぎゅっと抱きつくと、無理やり強い力で引き剥がされた。

「別に。あんなとこで騒ぎになったら、俺が困るから」

さっと背中を向けて、奥へ入ってく。

まるで、俺に表情を見せないようにしてるみたいだ。

「ごめんね、突然。なんとなく…智と飲みたくてさ」

竦みそうになる足を奮い立たせて、その背中を追いかける。

「でも、あれもこれもって買ってたらすんごい重くなっちゃってさ~。手が千切れるかと思ったよ」

なにも言わない背中に向けて、わざと明るい声を出した。

「とりあえず、冷蔵庫に入れてもいい?あ、勝手にキッチン入るね」

智が今なにを思ってるかわからないのが怖くて、逃げるようにキッチンへ向かおうとした手を、ぐっと掴まれる。

びっくりして振り向くと。



あの闇に支配された瞳が

俺を突き刺した



「飲みに来たんじゃなくて…抱かれに来た、の間違いだろ?」

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