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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ



あの日から、俺と智の関係が変わった。



わけでもなく。

これ以上ないってくらい、緊張して迎えた次のレギュラー収録日。

智は拍子抜けするほど、いつも通りだった。

あの日見せた、暗い影はどこにも見えなくて。

もちろん、あの日聞いた低い声だって出さない。

いつものように眠そうで。

俺に変に近付いたりもしないし、かといって避けてることもない。

いつも通り。

もちろん、雅紀、なんて呼ぶこともなかった。

「相葉ちゃん、どうしたの?なんか変なもん食べた?」

こっちまで脱力するほど力の抜けた笑顔でそう俺に言った。

「う、ううん…大丈夫…」

俺は、そう返事するのが精一杯で。

呆然と、智の姿を見つめるしかなかった。



なんで?

どういうこと?


あの日のこと、忘れたわけじゃないよね…?


そう聞きたくても、他のメンバーの前じゃ、出来るわけもなくて。

近付きたくても、足が竦んで動けない。


どうしたらいいの?

智は、あの日のことはなかったことにしたいってこと?



俺は…



…嫌だ…



ようやく本当のあなたに触れたのに

誰も知らない

本当のあなたに俺だけが触れたのに



ねぇ

もう一度呼んで…?



あの闇色の瞳で

雅紀って…


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