第6章 ビリジアン withあにゃ
自分の口から出た悲鳴みたいな声が
暗く澱んだ空間を切り裂いた
「…っ…すっげ…」
智の呻くような声が、聞こえた。
繋がった場所から絶え間なく送られてくる鈍い痛みを逃したくて、浅い息を繰り返す。
目尻を冷たい雫が何度も滑り落ちる。
手首も、めちゃくちゃ痛い。
頭もガンガンする。
足先までビリビリ痺れてる。
あっちもこっちも、痛くて堪んなくて。
なんでこんな乱暴なことするんだって腹が立って。
固く閉じていた目蓋を上げた。
闇に覆い尽くされた
ブラックホールみたいな目が
そこにあった
「…さ…とし…?」
なんで
そんな目をするの…?
その目は俺を見ているようでいて、でも、見てなんてなくて。
まるで、自分の内側に蠢く闇を見つめているような瞳。
俺の知ってる智は、そんな目はしない。
いつも優しい目をしているのに。
じゃあ、いつもの姿は嘘…?
それとも、こっちが?
どっちが本物の智なの…?
知りたい
あなたのことを
もっともっと知りたい
「…やめろ…」
「え…?」
聞いたことがない、地を這うような、低い声だった。
「俺を、見るな」