第6章 ビリジアン withあにゃ
side O
面白いほど、簡単だった。
俺のこと、どうして黙っていたのか…
それは、俺のことが好きだからって気づいて。
キスをしたら、簡単に堕ちた。
都合がいい。
このまま、俺のものにしてしまえば、他のメンバーに俺のことがバレずに済む。
手っ取り早く抱いて、黙らせよう。
「かわいい…雅紀…かわいいよ…」
「智…」
本当は…永遠に知られたくなかった。
だって、メンバーは俺の聖域。
本当の俺で居られる、唯一の場所。
だから、相葉ちゃんにも知られたくはなかったのに…
こんな形でバレるなんて。
今まで用心してきたのに…
「…なんで、目…閉じないの…?」
俺を貪りながら、夢見てるみたいな顔でこんなことを聞く。
「ムード…ないんでしょ…?ねえ…智…」
「雅紀は…?」
「え…?」
「雅紀はなんで、目を開けたの…?」
わかってるよ。
本当は。
見たいんだろ?俺を…
俺の本当の姿を。
俺のことが好きだから。
欲望に…忠実なんだな。
「智が…みたいから…」
「うん…いいよ…?」
…見たいのなら、見せてやるよ
俺の、亡霊
ねえ、雅紀…
目を開けたまま、一緒に死ぬ…?