• テキストサイズ

カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ


ドアの向こうには、綺麗に整えられた大きなベッドがあった。

一人で眠るには、大きすぎるベッド。

ここであの夜、左腕の中にいた可愛い男を貪ったのかと思うと、ピリッと胸に痛みが走った。

「どうしたの?」

入口のところで立ち尽くした俺に、訝しそうな視線を向ける。

暗闇の中、開け放った大きな窓から差し込む月光が、あなたの姿をぽわんと浮かび上がらせていた。

それを見ていると、胸の痛みは和らいで

吸い寄せられるように、足が動いた。

大きく広げられた腕に、すとんと収まる。

「本当に…可愛い…」

また熱い手が髪を撫でて。

その心地良さに、そっと目を閉じた。

唇が、重なる。

だけど、擦り寄せるように合わさっただけのそれは、すぐに離れていって。

名残惜しさに目を開くと、智は愉しそうに笑った。

「そんなに、キスしたい?」
「うん。したい」


もっとしたい

もっと触れたい


「ふ…いいよ?しても」

智が、俺を抱き締めている腕を解く。

そうして、一歩後退って、俺を試すように小首を傾げるから。

その腕を捕まえて、腕の中に閉じ込め、噛み付くように唇を重ねた。

貪るようなキスの合間にそっと目を開くと、すぐ傍にあった瞳は同じように俺を見つめていて。



その奥は

果ての見えない闇───


/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp