第6章 ビリジアン withあにゃ
ドアの向こうには、綺麗に整えられた大きなベッドがあった。
一人で眠るには、大きすぎるベッド。
ここであの夜、左腕の中にいた可愛い男を貪ったのかと思うと、ピリッと胸に痛みが走った。
「どうしたの?」
入口のところで立ち尽くした俺に、訝しそうな視線を向ける。
暗闇の中、開け放った大きな窓から差し込む月光が、あなたの姿をぽわんと浮かび上がらせていた。
それを見ていると、胸の痛みは和らいで
吸い寄せられるように、足が動いた。
大きく広げられた腕に、すとんと収まる。
「本当に…可愛い…」
また熱い手が髪を撫でて。
その心地良さに、そっと目を閉じた。
唇が、重なる。
だけど、擦り寄せるように合わさっただけのそれは、すぐに離れていって。
名残惜しさに目を開くと、智は愉しそうに笑った。
「そんなに、キスしたい?」
「うん。したい」
もっとしたい
もっと触れたい
「ふ…いいよ?しても」
智が、俺を抱き締めている腕を解く。
そうして、一歩後退って、俺を試すように小首を傾げるから。
その腕を捕まえて、腕の中に閉じ込め、噛み付くように唇を重ねた。
貪るようなキスの合間にそっと目を開くと、すぐ傍にあった瞳は同じように俺を見つめていて。
その奥は
果ての見えない闇───