第6章 ビリジアン withあにゃ
しばらく、そのままじっとしてた。
衝動的に抱き締めたのはいいけど、この後どうしたらいいのかわかんなくって。
ど…どうしよ…
腕の中の温かい塊から流れ込む熱が、俺の熱も上げていく。
ふわふわの髪から薫る甘い匂いが、俺の鼓動をどんどん早くしていく。
離したくない
けど
ここからどう進めば良いのかわかんない
男同士って、どうすんの…?
いや、そもそも、俺、まだなにも言ってないし
いやいや、まだなにもっていうか、そもそもこの気持ちがなんなのか、よくわかんないし…
抱き締めたまま、ぐるぐるぐるぐる考えてたら。
それまで身動ぎもせずに腕の中にいたおーちゃんが、クスッと笑った。
「なぁ…」
それは、俺の知らなかった低い声。
もうひとりの、おーちゃんの声
「相葉ちゃんってさ…俺のこと、好きなの?」
その言葉に。
靄がかかってたみたいな風景が、さーっと拓けていく。
す、き…?
おれがおーちゃんを
すき…?
「そう…相葉ちゃん、俺のことが好きなんだよ」
天と地がひっくり返るって
このことだ