第6章 ビリジアン withあにゃ
答えず窓辺に近づいた。
部屋の電気はまだつけていない。
廊下から漏れてくる光がリビングを照らしてる。
開けたままになっていたカーテンを閉じると、相葉ちゃんを振り返った。
暗闇のなかに、ぼんやりとした光を纏うように立ってる。
そう…
まるで、相葉ちゃんが光ってるように…
俺にはない、光
「あの店、なんで居たの?」
何も答えず、相葉ちゃんは俺を見た。
「どうして話しかけてくれなかったの?」
薄く笑って言うと、少し後ずさった。
だから、少し近づいた。
怯えた顔しちゃって…
なんで?
俺の何が怖いの?
ゆっくりと近づくと、それだけ後ずさる。
遂に壁際まで来たとき、逃げようとした。
だから、また腕を掴んで壁に押し付けた。
「…いつからあの店のこと知ってる…?」
低い声が出た。
隠しておかなきゃいけないのに。
こんな声。
なのに、怯えた顔を見てたら、思わず出てしまった。
亡霊の声
どこか頭の遠くで聞こえる
俺の声
「どうしたの…?なんで震えてるの…?」
そんなに明るい光をもってるくせに。
何をそんなに俺に怯えてるの?
「ねえ、言って?」
笑ってみても、怯えた顔は変わらなかった。