第6章 ビリジアン withあにゃ
無理やり俺んちに連れてきた。
腕を掴んで離してやらなかった。
車を降りたら、逃げ出そうとしたから。
「…おーちゃん…」
心細そうに話しかけても、答えてやらなかった。
だって、黙らせる方法がわからなくて。
あの店で見た俺のこと、忘れてもらわないと都合が悪い。
本当は知られたくなかった。
メンバーには永遠に知られたくなかった。
メンバーが知ってる俺が、本当の俺。
相葉ちゃんが見てしまった俺は…
亡霊
あそこに居た俺は、俺じゃない
「入って」
無理やり玄関に入れて、後ろ手に鍵を締めた。
じっと見ていたら、諦めて相葉ちゃんは靴を脱いで上がっていった。
俺も後ろから靴を脱いで家に入ると、相葉ちゃんの腕を掴んでリビングに連れて行った。
「あのっ…おーちゃんっ…」
「ん?なあに?」
にっこり笑って振り返ってやったら、黙り込んだ。
「…なんで…?なんなの…もお…」
泣きそうになってるから、頭をそっと撫でた。
「どうしたの?相葉ちゃん…」
「どうしたのはこっちのセリフだよ…」
掴んでた腕を振り払われた。
「一体どういうことなの…?なんでこんな無理やり…」