第6章 ビリジアン withあにゃ
確かめようと思った。
だから、強引に今日は誘い出した。
「あ、でも俺、車…」
「そんなのマネに運んでもらったらいいじゃん。車で行ったら飲めないでしょ?」
みるみる、顔色が悪くなった。
「…この間、みたいに」
ぼそっと囁くように言うと、動きが止まった。
やっぱり…わかってたんだ。
俺があそこに居たって。
「どうしたんですか?」
急に立ち止まった俺たちにマネが話しかけてくる。
「なんでもね。車、相葉ちゃんと銀座行くから、そっち回してくれる?」
「あ、はい。飲みに行くんですね。わかりました」
マネは笑いながら、歩き出した。
「ほんと皆さん、仲いいですね」
周りに居るテレビ局のスタッフやら、制作会社の連中がおべっか使ってくる。
やれ、今日はどこが良かっただ。
あれが良かっただ…
本心で思ってないくせに。
邪魔くせえ…
にっこり笑ってやったら、連中も笑って歩き出した。
なんにも喋らなくなった相葉ちゃんは、ただ俺に引きずられるように歩いてる。
エレベーターにマネが乗り込んで、俺たちも乗り込むと邪魔な連中は頭を下げてきて、扉は閉まった。
それから車に着くまで、無言だった。