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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ


ただ入れて出すだけの行為を、なんで複数人でやんなきゃいけないんだ。

入れる穴は一個あればいいだろ。

「ほんと…冷たいんだから…でも、それがいい」

ぺろりと俺の耳を舐めていくと、女は笑った。

「やっ…ちょっと!やめてよ!今日は、智は僕のなの!」
「いいじゃない…減るもんじゃないんだから」

名前もよく知らない男と女は、俺を挟んで勝手に言い合いを始めた。

「うるせえ」
「あっ…ごめん…」
「やだ。怒らないでよ。智…」

ここも…そろそろ潮時かな…

長く通い過ぎた。
飲む場所変えなきゃ…

それに、相葉ちゃんにバレたかもしれない。
メンバーに知られたら、もう通えない。

舌打ちしたい気分になりながら、ぐいっとグラスの苦い酒を煽る。

「トイレ」

店の奥にあるトイレに入って出てくると、カウンターの相葉ちゃんは、俺の座ってた席を見てた。

じっと、見たこともないような暗い目で…

カウンターの中のバーテンダーと目が合った。
ちょっと微笑むと相葉ちゃんにまたジュースを出して、何かを囁いた。

相葉ちゃんはすぐにバーテンダーに身体を向けた。

それからずっと相葉ちゃんはこちらを見ることがなかった。


もしかして…
俺がいること、気づいてる…?

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