第6章 ビリジアン withあにゃ
レギュラー番組の収録日。
いつもはみんな揃うのが嬉しくて、張り切って楽屋へ向かうんだけど。
今日の俺は、自分でもわかるくらい肩が撫でてる。
そりゃあもう、翔ちゃん並に。
「はぁぁぁ…」
口を開けば、出てくるのは溜め息ばかり。
なんで、こんなに憂鬱なんだろ…
「相葉さん?なに翔ちゃんみたいな撫で肩になってんの?」
更に肩を落としてると、後ろからニノの声が聞こえて。
反射的に振り向いた俺は、石のように固まった。
ニノの隣に
リーダーが立ってたから
「おはよ、相葉ちゃん」
いつもみたいに、脱力するような緩い笑顔でリーダーが挨拶する。
「あ、お、おは…おはよ…」
思いっきり動揺して、どもっちゃったら、ニノが盛大に笑い出した。
「ぶーっ…なによ、それ。なんでそんなオロオロしてんのよ」
隣に立ってるリーダーも、いつもみたいに顔をくしゃっとさせて笑ってる。
「相葉ちゃん、変なの」
それは、俺たちがいつも見てる、そしてファンの子たちがいつも見てるおーちゃんの姿で。
あの薄暗いバーで冷たい表情で佇む姿が、目の前で笑い転げてる人と重ならない。
じゃあ…
あれはいったい何…?
どっちが本当のおーちゃんなの…?