第1章 バニラ
「や、ややや、やめろおおおっ…」
「なあんでよ…こんなに敏感なのにもったいないじゃない」
「もったいない?」
一体何がもったいないんだ。
俺が敏感だと、俺が得するのか!?
「そー…だって、すんごく、気持ちいいんだよ?」
俺の顔をまっすぐ見て、べろりと舌で唇を潤した。
「う…」
妖艶な笑みを浮かべるニノは…
こんなに幼い顔をしてるのに、ものすごい色気を体から発してて。
「気持ちよくしてやるよ…」
ぐりっと俺の中にいる指を動かした。
「あっ…」
びくりと身体が震える。
それを見たニノはまた唇を舐めた。
「すごいね。大野さんの身体…」
なにがすごいんだ…もう訳わかんねえ…
「も、やだよお…」
「かわいいんだから…」
やだっていってるのに、なんでその返事なんだよ…
会話噛み合ってねえよお…
俺の中に指を突っ込んだまま、ニノはソファに乗っかってきた。
俺の頬にちゅっとキスすると、耳元に囁いた。
「ね…ここに、俺、入ってもいい?」
いいわけねえだろっ…
なんで俺が女役なんかしなきゃいけないんだっ!?
俺のほうが年上だぞっ!?
俺のほうが身長ちょっとだけ高いんだぞっ!?