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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第5章 濡羽色(ぬればいろ)


闇に慣れた目に、大野さんの微笑んだ顔が見えた。

「大野さん…」
「ん…?」

久しぶりに見た気がする…安心した笑顔…

嬉しくなって、思わず。

「わっ…」

大野さんの額にちゅってキスしてしまった。

「あー…ごめん…」
「い、いや…びっくり…しただけ…」
「平気…だった…?」
「うん…平気…」

すんごい至近距離で、大野さんはちょっと呆然とした顔をしてる。

「…ほんとに平気…?」
「…うん…」

突然、がばっと大野さんが俺に抱きついてきた。

「わわっ…ど、どうした…?」
「俺…俺さ、ニノ…」
「うん…?」

ちょっと黙っちゃったから、背中を少し擦った。

「で…できなくなってたんだ…」
「え?」
「その…えっちなこと…」
「あ、ああ…」

まあ、そうだろうね…
やられたってしか聞いてないけど…どんなことされたのか、想像はつく。

「しょうがないよ…そんなの…」
「うん…でもさ、でも…」

ぐりっと俺の胸板に額を擦りつけた。

「今の…気持ちよかった…」
「えっ…」

俺…一応、男だけど…
あれ…?やられたって…男、に…だよね…?

「俺、おかしいのかな…おかしくなったのかな…」

落ち込む方向に行きそうだったから、慌てて大野さんの顔を上げた。

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