第5章 濡羽色(ぬればいろ)
相葉さんがちょっともぞっとした。
「俺、わかんなかった…」
「まあ、いいんだよ。相葉さんは…」
潤くんがくすっと笑うと、相葉さんは苦々しい顔をした。
「わーるかったねえ…深読みなんてできないもん…」
「だから、それでいいんだって雅紀は…」
翔ちゃんもちょっと笑った。
「…でもさ、相葉さんがそう思ったくらいだから…やっぱ、大野さん芝居してるよね…」
潤くんが俺たちの顔を見ながら言うと、みんな少し黙った。
「うん…そう、思う」
事態は、深刻だ。
「あのさ…俺、今から戻るよ…」
「じゃあ、みんなで行こうよ」
「…いや…俺だけ、行くんじゃだめかな…?」
「え…?ニノだけ…?」
「あの人、みんなには言えないんじゃないかな…」
「ああ…まあ、そうだよな…」
翔ちゃんと潤くんが目を合わせた。
「誰か一人のほうが、智くんも言いやすいかも…」
「うん…だから、代表して俺が行ってくるよ」
「…お願いできる…?」
潤くんが言うと、相葉さんがちょっと泣きそうな顔をした。
「…俺、なんかできる?」
「いいから…今は、ニノに任せよう?」
翔ちゃんが言うと、相葉さんは増々泣きそうな顔をした。