第5章 濡羽色(ぬればいろ)
「言いたくない」
「いいけど…だったら、毎日誰かここに泊まりにくるからね?」
「だ、だからっ…だめっ」
「言うまでやめねーぞ」
潤くんが低い声で言ったら、黙った。
「…おーちゃん」
相葉さんが立ち上がって大野さんの隣りに座った。
そっと手を伸ばして腕を掴む。
「俺たち、本当に昨日までなんにもわからなかった。それほど言いたくないことなんだろうけど…でも、俺たちもう知ってしまったんだよ?」
俯いてる大野さんの顔を覗き込んだ。
「…みんなで考えよう…?どうしたらいいのか…」
「相葉ちゃん…」
ぽふっと大野さんの頭に手を置いて。
安心させるようになで始めた。
「平気…?おーちゃん」
「うん…」
俺も隣に座って、大野さんの肩に腕を回した。
「大野さん…」
「ん…」
少し身体に力が入ってる。
肩を摩りながら、話してくれるのを待った。
「…ごめん…」
そう言って、目線を少し上げた。
床に座ってる潤くんと翔ちゃんの顔を見て。
それから相葉さんと俺の顔を見た。
「とっくに…大丈夫になったと思ったんだけど…」
眉をハの字にして、俯いた。
「大阪で…プロモあった日…」
ボソボソと話し始めた。