第5章 濡羽色(ぬればいろ)
その日は朝まで眠れなかった。
大野さんの様子を時々伺いながら、夜通し起きてた。
今日はコンサートツアー前の最後の5人揃ってのオフで。
だからこそ昨日、俺たちの誕生会をやろうって話になったんだ。
だから今日一日、時間だけはあった。
「朝飯…なんか買ってこようか…」
早朝、翔ちゃんが言い出して、相葉さんと一緒に近所のコンビニに買い出しに出てくれた。
長い一日になるな…
誰が言い出したわけじゃないけど…
大野さんの話を、じっくりみんなで聞こうって。
多分、思ってるんだと思う。
潤くんと俺は、キッチンに入って簡単なスープを作った。
作ってる間に、翔ちゃんと相葉さんが帰ってきて。
昨夜の片付けをして、リビングに朝食を並べた。
「どうする…?起こしてくる?」
「…もう少し、寝かせとこ…?」
「だね…」
温かいスープを飲んで、パンやおにぎりを食べると、少し落ち着いた。
「こうなったら風呂も借りようか!」
相葉さんが言い出して、もう、みんなで大野さんちを好きに使うことにした。
「洗濯するヤツ、ぷちゅはんずあっぷ!」
「いえいえいえ~~い」
コンビニで、翔ちゃんはパンツを4つ買ってきてくれてた。
なんて気が利く男なんだ。