第5章 濡羽色(ぬればいろ)
「おっじゃましまーす!」
相葉さんが空元気を振り絞ってくれて、なんとか明るくしてくれてる。
「あんた、夜中なんだからでかい声ださないの」
「えー?でかかった?」
俺もそれに乗っかりながら、リビングに入った。
大野さんは翔ちゃんに支えられながら、なんとか歩いてる。
もう足元がフラフラで…
酒には強いから、酔っ払ってるわけじゃない。
もう、身体に力が入ってないみたいだった。
「さ…とりあえず、キッチン借りるよ?」
潤くんが優しく言うと、なんとか頷いた。
「なんか飲むものと…つまむもの、勝手に用意するからね?」
そう言うと、やっとちょっと微笑んだ。
その顔をみて、ちょっと安心した顔をした潤くんは、相葉さんを連れてキッチンに入っていった。
「ニノ」
大野さんの身体を支えていた翔ちゃんが俺を呼んだ。
「ちょっと、俺、電話しなきゃいけないとこあって。智くん頼むね」
「あ、うん」
大野さんの隣に座って、そっと身体を支えると、翔ちゃんはリビングを出ていった。
「寒い?大野さん」
「大丈夫…」
紫色のソファの上に、ブランケットが出てたからそれを大野さんの膝に掛けて。
すこし背中を擦っていたら、ほうっと息を吐き出した。