• テキストサイズ

カラフルⅤ【気象系BL小説】

第5章 濡羽色(ぬればいろ)


俺たちの送迎車のうちの1台が店の近くに来てくれて。
すぐに俺たちは店を出た。

「ごめん、タクシー代わりに使って」

翔ちゃんがさすがのフォローを入れながら、一番年が若いマネに謝ってる。

「いえ…でも櫻井さん…」
「このこと、黙ってろよ?」
「…わかりました…」

連絡する人選も確かだわ。
これならチーフにチクる心配もないだろう。
一応黙認はされてるけど、本当は事務所の車をプライベートでは使っちゃいけない。

こいつは若いだけに、俺たちの言うこと聞いてくれるし。
あとからバレても、店で混乱が起こりそうだったって言えば済む話だし。

「大野さんの家、行って」
「了解しました」

車内はずっと無言だった。
俺の隣に座る大野さんは、いつもどおり窓の外を眺めて。
眠るでもなく、そのまま視線を動かすことはなかった。

みんなそれぞれ、多分さっきあったことを思い出してる。

こんな大野さんの姿を見るのは、初めてだ。


一体、なにがあった?


みんな、そう思ってる。

そして、あんな大野さんを放っておける訳がない。


大野さんのマンションに着くと、そのままみんなで乗り込むような形でお邪魔した。

/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp