第1章 バニラ
「はぁ…いい…」
気持ちよさそうな声が聞こえて、なんだか嬉しくなってしまう始末で。
ずるりとニノが俺の中から出ていって、口から糸を引いてもおかしいと思えなかった。
「ふふ…いい子…大野さん…」
幼いニノの顔が近づいてきて、俺の口の端に引っかかってる糸を舐め取った。
そのまま俺の唇にキスをした。
「口、開けて…?」
そう囁かれて、素直に口を少し開けると舌が差し入れられて。
俺の舌を見つけると、絡めてきた。
俺の頬をニノの小さい手が包む。
ぴちゃぴちゃといやらしい音がして、顔の角度を変えながら、何度も何度もニノは俺の口を舐めて。
その間にニノの手は、パジャマの上から俺の息子ちゃんをナデナデしてて。
気持ちよくて、ぶっぱなしそうだった。
さっき、イク直前だったし…
「に…ニノ…」
「ん…?」
「俺、もう…出ちゃう…」
「ふふ…」
ちゅっと音を立てて唇を離すと、ニノはじっと俺のこと見つめた。
「ねえ、どうして欲しい…?」
幼いのに…目の奥の妖艶な炎は、ニノだ。
誘うように微笑むと、俺のまぶたにキスをひとつ落とした。
「ちゃんと俺に教えろよ」
ブルリと身体が震えてしまうような、声だった。