第4章 バッカス
大野さんが顔を上げた。
ふたりでじっと見つめ合う。
にたり、大野さんは笑った。
「…あなたのそういうとこ、好きよ…」
「んふ…俺も、おまえのそういうとこ、好きだ」
ゆっくりとふたりで身体を起こすと、すやすや眠ってる翔ちゃんを見た。
無防備に眠ってる姿が、背徳感と嗜虐心を刺激する。
黙ってふたりで翔ちゃんの服を脱がせた。
脱がせたとこで、男で…ついてるものついてるし、胸だって膨らんでない。
でも、俺たちは止まらなかった。
翔ちゃんの身体を起こすと、下に敷いてた掛け布団を引きずり出した。
「ん…?」
翔ちゃんが寝ぼけながら目を開けた。
「あっ…」
大野さんがちょっと焦って、翔ちゃんの目を閉じさせた。
「なぁに…?智くん…」
「な、なんでもないよ…」
慌てて翔ちゃんの身体をマットレスに寝かせた。
「ふぁ…?なんで服きてないの…?」
「えっ…えと…」
「寒いよ…」
「わ、わかった…わかった…」
慌てて布団を取って、翔ちゃんの身体に掛けた。
「んふ…あったかい…」
お布団に頬をすりすりして、満足げに笑った。
「やべ…」
ごくりと大野さんがつばを飲み込んだ。