第4章 バッカス
「あれ…?」
気がついたら…
さっき開けた赤ワインのボトル、空いてた。
俺は今グラスにある分しか飲んでないから、このふたりで全部飲んだんだ!
「ちょっ…どんだけ飲んでるのよっ!あんたたち!」
なんかおかしいと思ったら、コイツら黙って泥酔してんじゃんっ
「さっきのえっちみたら…なんかムラムラしちゃって…」
「ああ…ね。なんか雅紀気持ちよさそうだったよね…」
「ちょ、何言ってんのよ!もうっ!」
だめだこりゃ…水飲ませないと…
慌てて水を持ってこようと立ち上がったんだけど、俺もぐでんぐでんで。
立ち上がった瞬間にバランスを崩して、後ろにひっくり返った。
「うわぁ」
強かに後ろ頭を打ち付けて、フローリングの床をゴロゴロ転がった。
「いてぇーーー!」
「ニノ…大丈夫?」
だめだ…ゴロゴロしたせいで酒が回って…
視界がグラグラする…
「おまえも飲みすぎなんだって…」
ひょいっと翔ちゃんに抱えられて、ソファに寝かせられた。
抱き上げられた瞬間、なんかいい匂いがした。
「…んあ?」
「なんだよ?」
「なんか香水つけてる…?」
「いや…別に…?」
じゃあなんだろ…この匂い…