• テキストサイズ

カラフルⅤ【気象系BL小説】

第4章 バッカス


「あの…カード使えますよね…?」

ちらちらと窓や車内を見ながら聞いてる。
そういや、乗ったタクシーは見たことない色のやつだった。

「あー…ごめんねぇ…うち、使えないのよ」

おじいちゃん運転手は、ちらちら後ろを見ながら謝ってきた。
出た!今どきカード使えない、個タクだ!

「えっ…」

ちょっと翔ちゃんは絶句して、慌てて財布を取り出した。

「やばい…現金ない…」
「えっ…」

大野さんも俺も慌てて財布を出した。

「あ…」
「俺も…」

なんとか3人合わせて出てきたのは、3000円…
タクシーのメーターは、2800円を指していた。

「こ、ここで降ります…」

いつもだったら、多めに現金は持ってるんだけど。
こんなときに限って、忙しくて銀行に行けてなかったから財布にお金入ってなかった…

そりゃ、タクシーで帰るつもりだったけどさ。
普通のタクシー、カード使えるし…

ちょうど俺の家の近くまで来てたから、俺はなんとか帰れるけど…

「どうする?大野さん、翔ちゃん」
「タクシー…捕まるかな…」

もう結構な深夜になってて。
道行くタクシーはどれも賃走中や回送の表示。

「うち、くる?」
「ああ…」

とりあえずタクシーを呼ぶにしても待ちそうだったから、家に入ってもらうことにした。

/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp