第4章 バッカス
「最初はグー!じゃんけんぽんっ!」
こういうとき、負けるのは年上組と決まっている。
「ぐあああ…」
「なんでちょき出しちゃったんだろ…」
「持ってるわ…俺…」
年上3人はまた体勢を整えると、再びじゃんけん。
俺と潤くんは高みの見物。
「いくぞ~…最初はぐー!じゃんけんぽいっ!」
あとには、ちょきのまま項垂れる大野さんが残った。
「…ってさ、一番負け決めたけど…」
「これ、一番が誰か決めるじゃんけんじゃなかったっけ?」
年上3人はああって顔をして、その後爆笑した。
「もー進まないじゃん…」
「でも、おーちゃんの目、覚めたみたいだよ!」
「よかったね。智くん」
「うん…」
「まだ眠いんかいっ」
結局、潤くんが俺に譲ってくれて、俺スタートで七並べは始まった。
「えーっと…パスは何回までだっけ?」
「えっ…翔ちゃんもう!?」
「えっ」
「えっ」
「すげえ…持ってなさすぎ…」
「うるせー!潤っ!」
わいのわいのとルールを決めながら七並べは進んでいく。
「誰だよおお!10だせよおお!」
「そういうゲームじゃない…」
「くっそー……ジョーカー使ってやる!」
「ひゃああっ!やめてぇぇ!」
「あっ…おまえか!犯人!」