第4章 バッカス
壮行会とは名ばかりの飲み会は、穏やかに進んだ。
「ねーねー。おーちゃん寝ちゃうからなんかゲームしようよぉ」
酔っぱらいの相葉さんが言い出して、ゲームをすることになった。
「ゲームったって…なにする?」
「なにしようね?」
「UNOでもする?」
「あったかな…そんなの…」
「トランプは?」
「ニノ持ってるっしょ?」
「えー?」
「いいよ。俺んちあったとおもう…」
潤くんが探してトランプを出してきてくれた。
「んじゃー。何する?」
「ババ抜き?」
「やだー!」
「絶対やだー!」
相葉さんと大野さんが強固に反対するから、七並べをすることになった。
「こんなん中学生以来だぞ…」
翔ちゃんが可笑しそうに言うから、みんなでいつしたっけなんて話しながらカードを配って。
「ほいじゃ~…ダイヤの7持ってた人からだっけ?」
「スペードじゃなかったっけ?」
「ハートじゃなかったっけ…」
それぞれの家ルールが飛び交って、なかなか出だしが決まらなかった。
「じゃんけんでいいじゃん」
潤くんがざっぱりと切り捨てると、おとなしくみんなでじゃんけんになった。
「ちょきは出さない…ちょきは出さない…」
大野さんのブツブツ言うのが聞こえてきて、笑いを堪えるのに必死だった。