第3章 アリストテレス
腕時計を見て、その時が来るのを待つ。
「どしたの?翔くん」
「ちょっと待ってろ」
きっかり、0時を指した。
「潤」
「ん?」
体を起こして、潤の首を引き寄せた。
「うわっ…」
そのままぶっちゅーと濃厚なキスをかましてやった。
「んんん!?」
最初は慌ててたけど、そのうちふにゃっと身体から力が抜けて。
「ん…」
ちょっと感じてる吐息が聞こえてきて、俺は満足した。
唇を離すと、潤の頬を手で包んだ。
「ハッピーバースデー…」
「え…?」
「好きだよ、潤」
昨日は、照れくさくて言えなかった一言をやっと言えた。
「翔くん…」
びっくり顔のまま潤は固まってしまった。
「プレゼントは、後でな」
「え、いらない」
「は?」
潤はどすどすとソファを回り込んできた。
「今から貰うっ!」
「え?は?」
がばっと俺を姫抱っこした。
「ま、待て…まさか…」
「ベッドいこうねっ!」
「ちょっ…おまえ、正気かっ…」
「今日は翔くんが抱いていいから!ねっ?」
「ねっじゃねえよ!俺の腰はもう動かねえって!」
「じゃあ、俺が挿れる!」
「俺のケツは昨日で限界突破だっつーの!」
「じゃあ裸で抱き合うだけでいいっ…」