第3章 アリストテレス
「腹と腰が痛え…」
「ごめん…」
次の日の夜中、仕事終わりに潤が俺の家に来た。
痛む腰をさすりながら、玄関まで出迎えてやった。
今日はスタジオでよかった…座りっぱだったからなんとかなった。
「なんかね、中で出したらだめみたいだねっ。お腹痛くなるって!」
「早く言えよっ…」
「ごめえん…」
「つか、どこ情報だよそれ…」
「んふ…」
ニコニコしてる潤は、なにやらでかい荷物を持っている。
「明日から北海道?」
「いや?」
「なんだよその荷物」
「え?翔くんちに置くの」
「あ、そ…」
早速潤は俺の家に巣を作ろうとしてた。
「やー…もう…家の中掃除させてね…置く場所ないじゃん…こんな広い家なのに…」
「いや、ヤメロ」
なんか容赦なく要るものまで捨てそうだこいつ…
「んもー!どこに置けばいいのさ!」
「ぜってー物捨てるんじゃねえぞ」
「うううう…」
一人でキレてるけど、腹も腰も痛いからほっといてソファに沈み込んでた。
「あ…」
もうすぐ、日付が変わろうとしてた。
「おい。潤」
「んー?」
「ちょっとこっちこいよ」
「なあに?」
ぱたぱたと歩いてくると、背もたれ越しに顔を見せた。