第3章 アリストテレス
「潤…」
「翔くんに触りたい…」
立ち止まると、物凄い切ない目で俺を見た。
「それだけでいい…から…だめ…?」
泣きそうな顔になって…なんだよもお…
「…わかった…わかったよ、もお…」
「ほんとっ!?」
「でもその前に、風呂入ろうや…」
「うんっ…洗ってあげるっ」
「いや、別々で…」
「なんで!?」
「なんでって…おまえ…」
風呂で盛り上がったらどうすんだよ…
「もう、翔くんのあんなとこやこんなとこまで隅々俺は見てるんだよ?恥ずかしいの?」
「ち、ちがーわ!」
そういうことじゃねえっての…
「我慢できないから」
「え?」
「お前の裸見て、触られたらいろいろ我慢できなくなんだろうが…」
「翔くん…」
「だから、風呂は別々な?」
「でも今日、俺の誕生日だよ?」
「う…」
でた…どうしてもやりたいことをやる顔…
「できる限りの時間、翔くんとくっついてたいな…?」
この顔…
甘えるような、伺うような…
俺にだけ見せる、顔。
「だー…わかった…」
「翔くんっ…」
もー…どんだけこいつに弱いんだよ…俺…
こんな顔みたら、20年分のわがまま聞いてやりたいとか、思っちゃうじゃないかよ!
「俺、腰も腹も痛えから、全部やれよ?」
「はあいっ」
ちゅっと一回キスすると、潤は極上の笑みを見せた。
「翔くん、好きだよ」
ああ…もう…
どうにでもしてくれ
「翔くん…」
「潤っ…そ、そこはっ…」
「ああ…すんごい…ね、俺、あんなの初めてだった…」
「俺だって、あんなクソ痛いの初めてだったわっ」
「ねえ…翔くん…もう一回挿れたい…」
「ばっ…ばっきゃーろーっ!」
だあから、入れたいのは俺だってば!
【END】