第3章 アリストテレス
「ああもう…翔くん、気持ちいい…」
「ん…」
なんかもう、女の気分なのかな。
嬉しいって思ってしまった。
足の付根から腹までジワジワと何かが登ってくる。
「ちょ、ちょっ…翔くんっ…」
「…ん?」
「締めないで…イッちゃう…」
そんなこと言ったって…勝手になんか、きゅってなるんだ。
痛いんだけど、嬉しくて…
「いいよ…イケよ」
「や、だ…もっと中に居たい…」
「ばか…」
あんまりかわいくて…愛おしくて…
ぎゅっと潤を抱きしめた。
「俺は逃げねえよ。この先何回だって…できるんだから…」
「翔くん…」
髪を撫でると、潤が顔を上げた。
「うん…うん…」
嬉しそうに笑うと、ちゅっと俺の額にキスした。
「何回でも、えっちしようね」
「ああ…何回でも…」
今まで触れられなかった分、何度でも。
「好きだよ…翔くん…」
頬から首筋にキスしながら、潤の腰が動き始めた。
「ん…俺、も…」
「うん…」
熱の塊が俺の身体を貫くように突き上げるたびに、痛みが走る。
ずるりと抜け出て行くたびに登ってくる快感と、交互にそれはやってくる。
息が苦しい。
でも、嬉しい。
「潤っ…」
「翔くん…もうっ…」
「ああ…」
潤の広い胸に抱きしめられながら、えぐるように突き上げられて。
ギリッと歯を食いしばった顔が見えた瞬間、ぶるりと潤が俺の中で震えた。
「くっ…」
ああ…
潤が、俺で気持ちよくなったんだ
嬉しくなって、抱き寄せて…
互いの汗と吐息が混じり合いながら、キスをした。
潤の口は、甘かった。