第1章 バニラ
リビングのソファまで戻ると、ソファに寝転がった。
ブランケットを下半身にかけると、ティッシュを引き寄せた。
ずるりとパジャマズボンを下げると、自分を握り込んだ。
「ネタ…オナネタ…なんかねえかな…」
スマホを片手で操作しながら、適当なアダルトな映像を探した。
「よし」
へこへこと男優が腰を振って女を犯してる動画を見ながら、しごきまくった。
スマホから女の喘ぎ声がリビングに響いてる。
なのに、俺の脳裏にはさっきのニノの姿が蘇ってきて。
「ううう…」
なんてこった。
気持ちいい。
「やばいやばいやばい…」
俺はホモじゃない。
俺はホモじゃない。
でも…
「あっ…ああ…ニノっ…」
なんか、ニノを呼んでみたら、すんごく気持ちよくなって。
目を閉じて、さっきのニノの姿を思い出しながら、猛烈にしこった。
あの細い体が、俺に跨ってきて…
俺のちんこを…
「ぬ…あぁぁぁ…」
やべ、たまんね。
「大野さん」
もう、どぴゅってしそうな瞬間。
「は…い…」
後ろからニノの声が聞こえた。
とっさのことで、スマホを消すことができなかった。
「なに…してんの?」
「はい…」
声がなんかちょっと怒ってる。
そっちを見ることができない。
おまえでオナニーしてました。
なんて、いえるわけねぇぇぇっ…