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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第3章 アリストテレス


フロートとは、コンサート中盤から後半に登場するでっかい乗り物で。
よくアリーナ外周を回ってるでっかい櫓みたいなやつだ。

「えっ…フロートを?」

また潤の顔がキラキラしだした。

「フロートなら最初から格納スペース考えて取ってあるだろ?それを利用してさ…」

なんて言ってたら、俺と潤の話はどんどん突拍子もないとこまで飛んでいって…

いつもそうだ。

なんか、演出の潤と喋ってると、日頃頭の硬い俺までなんかいろいろ出てくるんだよな…

「ストーップ!ストップストップ!」

チーフの制止が入るまでそれは続いてしまう。

「んなことできるわきゃないだろ…ドームの天井に穴開ける気かおまえら…」
「あ…」
「こりゃ…失礼した…」

ごほんっと咳払いして潤の顔をみると、ちょっと照れたように笑った。

「もお…翔くんと話してると、どんどんどっか行っちゃう」

にっこり笑った笑顔は、少年の頃のように真っ白で…

「でた…天使…」
「あ?」

怪訝な顔をされてしまった。

「んあっ!ぬあっ!なんでもねえよっ!」
「わっ…また…なんで急にでっかい声だすんだよ!」
「す、すまない…」

もう深夜だから、微妙に髭面の男に向かって天使とは何事だ、俺っ!

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