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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第3章 アリストテレス


俺と潤のマネは今日はここには来てなくて。
チーフだけが来てた。

あとはコンサートスタッフの部門責任者たち。
その人達も潤の様子を伺ってる。
もう長年一緒にやってきてる人たちだから、わかってんだよね。

総合演出の松本潤の思考癖。

「あー…ちょっと、まだまとまってないみたいなんで、皆さん…」

そう言って、手を出口ドアの方に向けたら、スタッフさんたちはホッとした顔になった。
ここんとこ、朝までコースが続いてたから、早く帰りたかったんだろう。

「じゃあすいません…翔くん、お先…」
「櫻井さん、よろしくおねがいします…」

そう言いながら、スタッフさんたちも帰っていった。

「ま、気の済むまでやらせてやれ」

チーフだけが苦笑いして残った。

「ああ。ま、つきあうよ」
「すまんな。櫻井」

チーフはしばらくすると、夜食を買ってくると部屋を出ていった。

打ち合わせの部屋には、俺と潤だけ。

でも潤は、書類とにらめっこしてずーっと無言。
舞台演出の世界に、没入してしまってんだ。

そんな潤を見るでもなく、俺はタブレットを操作してニュースを眺めたりしてた。

いつか、潤が何か意見を求めるから、それに答えるために待機してるってわけ。

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