第2章 アボカド
「潤くんはドラマのロケで、相葉さんは甲子園とかドラマの打ち合わせで忙しいんだからさ…俺たちだけのときは、いいじゃんね?」
と言いながら、とことこと楽屋のドアまで歩いていった。
カチャっと鍵を締めると、いたずらっぽく笑った。
「しばらく、いいよね?翔ちゃん」
「あーあ…知らねえぞ…」
とか言いながら、翔くんは苦笑いしてる。
「ふふ…」
ニノはにっこり笑って、今度はこっちにとことこと歩いてきた。
びっくり顔の大野さんの後ろに立つと、いきなりぎゅっと抱きしめた。
「…良かったね…大野さん…」
「ニノ…」
そのままじっと、ニノは動かなかった。
そんな二人を、俺たちは動くこともできず見ているしかできなかった。
それ以上、ニノも大野さんも何も言わなかったけど…
でも、俺たちにはわかった気がした。
ニノも大野さんのこと大事だと思ってるんだ…
大事に思ってるからこそ、言えなかった。
伝えられなかったんだ。
「ニノ…」
相葉さんがニノの肩に手を置くと、ぱっとニノは離れていった。
「はいはい。わかりましたよ~…お返しします」
「おまえなあ…」
ふふっと二人が笑って…
そして、みんな笑いだした。