第2章 アボカド
それからも、俺と相葉さんの病は治っていない。
治るどころか、ますます酷くなっている。
「もー…邪魔しないでぇ…」
「いーじゃん…見てるだけじゃん」
「描けないでしょお!?」
今日も楽屋では、大野さんと俺と相葉さんはイチャコラしている。
スケッチブックを広げてる大野さんの後ろにべったり張り付いて観察しているのだ。
「おーい…そんなくっついてんなよ…?」
翔くんは呆れ気味に俺たちに注意しているが、その横にはぴったりとニノがくっついてて説得力がない。
ニノはニコニコと俺たちを眺めてる。
「うっせー。翔くんにだけは言われたくないね」
「あ、潤、このやろ…」
「あれー?マネージャーは?なんで楽屋にマネージャーが一人もいないの?」
気がついたら、楽屋には俺たちしかいなくなってた。
「もお、見てらんないから出てったんでしょお?」
大野さんが頬を膨らませてスケッチブックを閉じた。
「職場でいちゃつくなって言ったの誰だっけか…」
翔くんがぼそっとつぶやくのに、あっかんべーしといた。
「あ、潤、このやろ」
ぐーを作った拳を、ニノがすばやく叩いて落とした。
「何すんだよっ」
「いーじゃん。誰も見てないんだからさ」
ニヤリと笑うと、俺に向かってウインクを飛ばしてきた。