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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第1章 バニラ


「おおのさーん…」
「お、おお…」

もうぐしゃぐしゃに泣いてるから、どうすることもできなかった。

「わかったから…」

しがみついてくる細い肩を抱きしめて、泣き止むまで待つしかなかった。

しばらく泣いて、ニノはやっと俺から離れた。

「ごめん…」
「いや、いい…」

テーブルの上にあるティッシュボックスを取ってやると、一枚とってぶびーっと鼻をかんだ。

「ううう…どうしよう…俺、どうなるのかなあ…」

もう鼻の頭まで真っ赤で。
これがあの渡海を演ってた役者かと思うほどで。
いや、だいぶ若返っちゃってんだけどさ。

「昔、読んだ小説で…おばあさんがおんなじようなことになってさ…このままどんどん若返っていって…」

ぐずぐずとなにやら言っている。

「…そんでそのまま赤ちゃんになっていなくなっちゃうってはなし…思い出した…」
「お、おいっ…何バカなこと言ってんだよ!?」
「だってぇっ…」

また泣き出して…

「わかったから…ちょっと落ち着け?な?飯食ったのか?」
「食べてない…」
「わかった。なんか作るから…」
「酒…」
「は?」
「酒飲みたい…この姿じゃ買えなくて…」
「何バカなこと言ってんだよ!?」

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