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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第1章 バニラ


「めいわく…だった…?」

涙声にぎょっとした。
空になったマグカップを握りしめて、俯いてる。

「ち、ちがーわっ!俺、頭悪いからっ…」
「でもっ…」

顔を上げて、まっすぐに俺を見た。
目が赤くて、潤んでる。

ああ…懐かしいなって思ってしまった。

スタジオの隅で…こんな顔して泣いてたこと、あったなって。
こんな時なのに、思い出してしまった。

「こんな俺の姿見ても、俺だってちゃんとわかってくれるの…大野さんしかいないと思った…」
「ニノ…」

何いってんだよ…

「こんな姿って言ったって、ちゃんとどっからどう見てもニノだろうが…」
「だからあ…俺だって信じられないのに、大野さんだったら受け入れてくれると思ったんだもん…」

きゅっと口を引き結んで、ぷるぷる子犬みたいに震えだした。

「俺は、一体おまえん中でどういうキャラなんだ…」
「だってぇ…」

ついに泣き出してしまった。

「なくなよぉ…」
「だってぇ…」

まあ、そうだよな。
泣きたいよな…

俯いてる頭に手を載せて、なでなでしてみた。

「う…うう…」

ますます泣いて、どうしていいかわからなくなった。

ティッシュを取ろうと身を捩ったら、どすんとニノが抱きついてきた。

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