第1章 ~夢~
~~♪~~~♪~~~♪~~
夕焼けに染まる公園に響く落ち着いた男性の声。
「----お嬢様~----坊ちゃま~帰るお時間ですよ。」
その男性に反抗し、なかなか帰ろうとしない女の子と男の子。
先に声を出したのは女の子だった。
「やだ!まだあそぶ!」
「………あそぶ……!」
加勢するように男の子も声を発した。
「いけません、明日の準備がございますから。」
"明日の準備"その意味がわからない2人は不服そうにしていたが、最終的に差し出された手を繋いで帰路についた。
ーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
翌朝
「なんで?どこいくの!?」
母親らしき女性に縋り付き、泣き叫ぶ男の子。
「あのね、あのね、----ね、----にね……」
同じく泣きながら何かを伝えようとする女の子。
「……やくそく。ゆびきり……ね?」
そう言って自分の小指を女の子に差し出す男の子。
女の子は泣きながら彼の小指に自分の小指を絡める。
「またあえたらね、-----------」
「……うん!!」
最後に女の子は男の子に抱きつき、男の子もそれに応え、慣れない手つきで彼女の頭を撫でる。
「----、もう行くわよ。ちゃんとバイバイしなさい。」
「Alors, dites "Au revoir", mes poussins.」
夫婦らしき男女が子供たちに声をかける。
そして青年が女の子の手を引き、黒い車に乗り込んだ。
一家が乗り込んだ車はすぐに発進し、それを追いかけようとした男の子の腕を掴み、止める母親。