第5章 5
とことん最悪なヤツだな、太田!
このサイテーな教師を殴ってやりたいが、それをやってしまうと動画を拡散されかねない。
どうしたらいい?
太田先生が私たちをスマホでパシャパシャと撮り出した。
「これは念のためだ。ま、保険ってやつだ。」
太田先生は、スマホとビデオカメラを鞄に仕舞ってから私の前にしゃがんできた。
私たちをゆっくりと見回してぺろりと唇を舐めた。
「お前ら、かなりいい身体だったぞ。くくくっ。」
真夕とカナがすすり泣き出した。
「梅田。父親に言いたきゃ言え。その時は…わかってるよな?くくくっ。」
太田先生が鞄を撫でた。
「あんた、サイテーだな?それでも教師かよ?!」
「ああ、そうだよ。お前らの担任、だろ?」