第1章 雨降りの街灯
何か、当たり障りのない会話しないと…。
「湯加減どうでした?」
「……ん、…まあまあ。」
「…そうですか。」
終わってしまった…。他には…。
「あの、…私はって言います。貴方は?」
「……松野、…一松。」
「一松くんね。事情はよく分からないけど今日は雨宿り感覚で泊まって行ってね。見ての通り、私しか居ないし。」
「…あんた、怪しいとか思わない訳。」
彼の癖なのだろうか。粘着質な喋り方と座った目。じっと見つめられると肩を竦めてしまいたくなる。
「んー…、怪しい感じはあるけど、悪い人には見えなかったし…。」
「……お人好し。」
「…はは、よく言われる。まあ、今日はもう遅いし眠っていいよ?」
ベッドを進めたら、流石に断られてしまった。彼にはソファで寝てもらう事になり、私もシャワーを浴びてその日は眠った。
〜一松side〜
とうとう家に残ったのも俺とおそ松兄さんの二人になってしまった。行く宛なんて無いけど、兎に角家を出た。取り敢えずチビ太の店に行くか…、みたいな軽いノリで。
その日は止めに入る兄弟も居なくてかなり飲んだ気がする。気が付いたらゴミ捨て場で眠ってた。大分酒も抜けてきた思考で、これからどうするか考えてみる。…家に帰ろうとは思えなかった。流石に、断念するの早過ぎだと思うし、何よりクソほどのプライドが阻止する。あーあ、このまま野垂れ死ぬか。…なんて。
気が付いた時には女に肩を叩かれていた。…なんだこの子。俺みたいな、ゴミと同化したクズに話し掛けるなんてよっぽどの不幸体質なのか、それともお人好しなのか。
最終的には、家に来ないかなんて言う。いやいや、俺としては願ったり叶ったりな事だけど大丈夫なの。この子の常識やら頭やら。
流れるような動作で家に到着したと思ったら風呂場に通された。うわ…、女の子の香りだ。やべ、勃つ…。ほら、こちとら童貞拗らせてるんですみませんね。
「お兄さーん、洋服置いておきますけど、下着は乾くまで待って下さいね。」
「…っ、え、…あ、…はい。」
臨戦態勢に隙がーー!!疾しいこと考えてる時に声掛けられたらそりゃ吃るから!!!……うわ、吹き出すような笑い声が聞こえる。あーあ、童貞だと思われた、死のう。