第6章 白い封筒・茶色い封筒
建物の中に入れば美奈子がザワザワしながら寄ってきた
美「ちょっとどこ行ってたのよ!時間見なさい」
時計を見れば午後四時半
いつもなら化粧も着替えも終わっている頃
『すいません、ちょっと大門の所まで行ってて時間かかりました』
美「大門?逃げようとしたのかい?」
美奈子がビックリした顔で見てくる
『そんな!違います。ポストに封筒を出しに行ったんです』
美「あー、あれね。でも時間がかかりすぎよ。次から気おつけなさい」
『はい、では。』
そう言って美奈子のところを離れて自分の部屋へ戻る
すぐに化粧する
肌を白く塗り、アイラインをひき、赤いアイシャドウをのせて、紅をひく
着物はいつもの女三人が来て着させてくれる
あんなの一人ではさすがに着れないだろう
着付けが終われば個室で待つ。
そしてお客さんが来るのを待つ。
ただそれだけ。
お客さんが来れば相手をする。