第6章 白い封筒・茶色い封筒
莉奈は自室に戻り色々と考える
貴族の人にこのお断りの手紙を出したらどうなるか
殺されてしまうのか
暴力を振るわされるか
クレームが出されるのか
それとも…
納得してくれるか…
でも、あの貴族は優しかった
しかし、女にモテないあの貴族はどうするだろうか
一般市民からはモテるだろう
顔が良い
優しい
そして一番は…
お金持ち
一般市民はお金に苦しいから貴族から結婚やら付き合ってやら言われると、断れないだろう
だが、貴族が一般市民とそんな事はあるはずが無い
なぜなら本人が良くてもその親がなんと言うか…
親が許すはずがない
『はぁ、やっぱり断らない方が良かったのかしら…』
莉奈は兄をみうけに選んだがやっぱり貴族の方が良かったのかと考える
別に兄を断っても兄は納得してくれるだろう
貴族を断ったらどうなるかがわからない
『んー、どうしよう。』
みうけを決めた後もずっと悩む。
『やっぱり亮兄さんでいい…』
莉奈はそう決心した
貴族に送る手紙をポストに出すため外へ出ようとする
外は雪が降っていた
『綺麗。』
莉奈の顔が少し微笑んだ
傘を持ち雪で洋服が汚れないようにする
出入口の大門にあるため相当歩く
吉原の道は色んな人が歩いている
夜ではない為女の人も多い
『あった』
白い封筒に手紙を入れて赤いポストに入れようとする
だけど、入れようと思う手が震えてポストの中に入れられない。
怖いのだろう。
だが、決心して中に入れた
『ふぅ…後は返事を待つだけ』
心を落ち着かせて来た道を戻った。