第6章 白い封筒・茶色い封筒
美「やっぱり惚れられていたか…」
『えっ?どうしてわかるんですか?』
不思議そうに莉奈が聞く
美奈子は当たり前のような顔をして
美「勘だよ、勘!」
『勘…そう、ですか。』
莉奈はなんと反応すればいいのか分からずに、適当に気まずそうに返事を返す
美奈子はあまり気にしなかったのかそのまま話を続ける
美「それで…貴族にみうけしてもらうのかい?」
『いえ、亮兄さんにみうけはお願いするつもりです』
しっかり、ハッキリと言う
美「そうかい…みうけが二人も出てくる話は今までに聞いたことがないねぇ、ただでさえみうけが現れるとすごいのに…」
『そうなんですか…』
美「お前さんの兄にみうけをしてもらうとしても、普通の仕事だから、時間が相当かかるはずだぞ?良いのかい?」
美奈子は莉奈を早く吉原から出してあげたいのか、早く吉原を出れるみうけの方をオススメしてくる
だけど、莉奈は答えは変わらない
『私は遅くなっても亮兄さんを選びます。』
美「そうかい、じゃぁお前さんのみうけは決まりだな」
『はい』
美「貴族には手紙送るのかい?」
美奈子が不安そうな顔をして聞く
『はい、お断りの手紙を渡すつもりです』
美奈さ「あのねぇ、昔いた花魁がお断りの手紙を書いたんだよ、そしたらその貴族は怒りに狂って花魁を殺してしまったんだよ」
『えっ!?、じゃあ、もしかしたらっ…』
莉奈は死の恐怖をまのあたりにする
美「送っても良い…お前さんが狙われたとしてもウチらが出来る限りでは守る…」
『そうですか。』
莉奈の顔はあおじろくなっていて、気分がダウンしていた
美「そう落ち込むんじゃないよ、貴族全員がそうやって殺すっていう訳でもない、少しは安心しな」
美奈子は莉奈の背中をトントンと叩いてくれる
美奈子のさり気ない優しさに莉奈は嬉しく思っていた