第4章 吉原の客
メニューは、白米、焼き魚、味噌汁、漬物…といった和食だらけだった
それを無言で食べていく
暗くなっていく外を見ながら。
ご飯を完食すれば、鏡の所へ行き口紅をなおす
真っ赤な紅をひく。
カンカンカンカン!
鍋を叩く音が響き渡る
その音と同時に美奈子が怒鳴る声も聞こえる
だるそうな遊女達を誘導しているんだろうか。
仕事の始まりの合図。
外を見ればあっという間に真っ暗になり、赤い提灯などが吉原に明かりを灯す。
男達がその灯された道を歩いていく。
その中に貴族がいるのだろうかと莉奈は考えながら歩いていく男達を無表情で見ていた
すると部屋のドアがコンコンとノックしてきた
『どうぞ、』
入ってきたのはさっきご飯を運んでくれた男だった
男「美奈子さんが呼んでる、すぐに来て欲しいと…な」
男はそれだけ言うと、部屋をすぐに出ていった
莉奈は美奈子の所へ向かう
美奈子の部屋に辿り着いたが、美奈子がいない
他の部屋にいると思い、探そうとしたら後から声を掛けられた
美「アンタも貴族から指名が来てよかったね」
『どこが…』
美奈子の第一声に不満をもった莉奈。
美「あんたを指名した貴族は顔が凄く良くてね…でも、頭が悪いって聞いたよ、それで女がよってこないってさ…今の時代は顔より金なのかもしれんさね…頭が良ければお金は稼げる。」
『女がよってこないから、吉原に来るという意味で…』
美「そうさ、それでオススメを聞かれたんだって、吉原で一番偉い男はお前さん、莉奈の名前を出したんだよ」
『そう、もうそんなところまで名前が通っているのね』
美「そうじゃね、まぁ、せいぜい不満を持たせないようにしなさいよ」
そう言うと美奈子はどこかに行った
莉奈も部屋に戻ろうと美奈子の部屋出て、廊下を歩く
?「莉奈さん!貴族が来ております!すぐに部屋へ戻るようお願いします」
『わかった』
莉奈は足を早めて歩く
着物は重いから歩きにくい。
部屋に戻ると座って待っていた
部屋が開いた。
『この度はわたくし、花魁、莉奈をご指名ありがとうございます。』
顔をあげれば確かに良い顔をしていた
やはり、顔だけではダメなんだと思う。