第2章 拾われました
焦凍の足音が去っていきバタンッと玄関の戸が閉まる音を聞きムクッと起き上がった
ああ~ビックリした!!
気が付いたら暖かい布団の中だし
イケメンのドアップだし
あの制服雄英だよね?ヒーロー科かなぁ?
しかも私の声が聞こえるみたいだし!!
ミィ~ッと声をあげてコロコロとベットの上で転げた
助けて貰ったお礼がしたいけど仔猫の姿じゃな~
あっ!!この姿でも個性は使えるかな?
バランスを取って前足を上げるがコロンと後ろに倒れてしまった
う~ん手が使えないと困るなぁ
考え事をしているとパタパタと動く尻尾が目に入った
ん?尻尾?
おおっいい物ついてるじゃん私!?
指の代わりに尻尾を使い風をおこした
んん!いい感じだね
調子に乗って力を入れすぎ部屋の中に強風が吹く
あっという間に綺麗だった部屋の中はぐちゃぐちゃになってしまった
......やばい怒られるよねコレは
どうにか片付けようと四苦八苦して格闘すること数時間
「.......」
この部屋の主が帰って来てしまいました
ただ今私は個性の風を使って宙に浮かんでいる
焦凍と目が合ってピシッと固まった
フワッと床に着地してミィ~と一声鳴いて項垂れた