第2章 拾われました
部屋の戸を開けると目の前に浮かぶ銀色の毛並みの仔猫
その後ろの部屋の中はなぜか物が散乱している
「.......」
無言で仔猫を見つめること数秒フワッと床に舞い降り
小さな声で鳴いて耳を伏せて俯いてしまった
「怪我してねえか?」
項垂れる仔猫の頭を撫でると
ピクッと耳が動き大きな金色の瞳が見上げてくる
『(ごめんなさい)』
「怒ってねえ」
ヒョイと抱き上げベットの上におろし
散乱した本や服を片付ける
数十分であっという間に元通りの部屋に戻った
『(ごめんなさい)』
もう一度謝る声が聞こえて振り返る
無言で手を差し出すとスリッと手にすり寄ってきた
「さっきも言ったが怒ってねえ」
喉の下を撫でるとゴロゴロと鳴いて尻尾をユラユラ揺らす
柔らかい毛並みを堪能しているとグゥ~と大きな音が鳴った
「腹減ったのか?」
『ミャ!?』
グゥ~ともう一度大きな音が仔猫のお腹が鳴った
ピンッと尻尾を立ててピシッと固まった仔猫
「飯食うか」
ヒョイと抱き上げ部屋を出た
「猫ってなに食うんだ?」
台所に行くと姉が作ってくれたシチューがあった
仔猫を机におろしシチューを温めて仔猫の前においた
おずおずとお皿に近づきペロペロと舐めあっという間に完食した
それを見た焦凍は自分もご飯を食べ部屋に戻った
お風呂を済まし部屋に戻るとお腹が膨れた仔猫は
ベットに丸まってスヤスヤと眠っていた
「お休み」
頭を一撫でして焦凍も眠りについた