第9章 出逢い
「秀吉様!僕が探します。元々、僕が手を離さなければこんな事にならなかったから…。」
「半兵衛1人じゃ荷が重過ぎるでしょ?官兵衛も手伝ってあげて。」
「承知しました。」
「本当は三成と利家にも探してもらいたいけど城を手薄にする訳にもいかないからねぇ…。とりあえず2人に任せる。イマリはどうするの、の元に戻る?」
「いえ、ボクは姫神子様を探す手掛かりを見つけないとならないので…さんの元にはまだ戻りません。」
「そっか。でもまたに会うんだよね?」
「はい!彼女が姫神子様へ繋がる1番の手掛かりですから!」
「じゃあ俺からの言伝も預かって。」
「……わかりました!さんも、あなたの事を気にしていたので…ボクで良ければ伝えます。」
「ありがとう、助かるよ。」
そうして、今度は俺がへ向けてイマリに言伝を預ける。その内容は皆には聞こえないように耳打ちにしておいた。
言伝を預けるとイマリは直ぐに走って行ってしまった。追いかければの元へ辿り着くかもしれないけど、姫神子の情報を探るのが先なら多分それも難しいだろう。素直に見送り、軍議も解散して俺はの部屋へ向かった。
「…無事でよかったよ。」
去った日から何も変わらない部屋は相変わらず殺風景のままだ。使われなくなってしまった部屋もきっと泣いている。だから早く俺の元に帰っておいでよ。がらではないかもしれないけど、あんたが居なくなってからどこか寂しい。
そんな思いを抱えながら俺は自分の部屋へと戻り、冷たい布団へ身を伏せた。