第7章 突撃
「私ももっと強くなるよ…!それと、利家は無茶だけはし過ぎないでね。」
「おう!任せとけ!」
…本当に大丈夫かなぁ。
一抹の不安を抱えながら、姿の戻った利家と一緒に領へと戻る。それにしても、結局成果は無かったな。ほかの人達はどうだったんだろう。森を歩いている中、どんどんと眠気も襲って来る。吸血された後のこの倦怠感どうにかならないかな…。
「大丈夫か?」
「うん、ちょっと眠いだけ。」
「んー…良し、少し揺れるけど我慢しろよ。」
「え?わっ…!!」
ゆっくりと近付いてきた利家に横抱きにされる。所謂お姫様抱っこだ。この世界に来て2回目だな。
「血、吸っちまったせいで眠くなってるんだろ?もうすぐで領に着くし、寝とけ。」
「…いいの?」
「おう!」
…それなら、お言葉に甘えさせて貰おう。私は利家の胸元へ頭を埋め緩く片腕を背中へ回し服を握った。耳へ直に心音が響き、それがとても心地よい。歩く度に揺れる身体も。
私の意識はそのまま有無を言わさず夢の中へと溶けていった。