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夢現【戦刻ナイトブラッド】

第2章 始まり


「これからは四六時中、警戒が必要になりそうですね。」

なんだか想像もしていなかった位大事になってしまった。どうしよう、この城の中でも気が休まらなくなるかもしれないの…?

「あはは。びっくりしちゃったかな?」

やっぱり私も、強くならないと。守られるだけは嫌だ。ただ何も出来ずに殺されるのも、とんでもない。生きて元の世界へ帰って、普通の生活を送りたい。

「大丈夫!俺、いい事思いついたから!」

「秀吉さん…。」

「あんたをあらゆる脅威から守る!その為にはそれ相応の大義名分が必要だと思うんだ。だから、今日から……あんたを俺のものにする!」

「…は?」

「ねぇ、俺のお嫁さんになってよ。」

「は!?なんでそんな話になるんですか!?」

「い、いやいや!秀吉様、いくらなんでも話が突飛すぎます!」

「別に秀吉がいいなら、いいんじゃねえか?おめでとさん!」

「確かに、彼女のそばに秀吉様がいるなら、敵もそう簡単には近づけないだろう。異論はないな。」

「ふふ、さっすが秀吉様!面白そうだし、僕も賛成〜!!」

なんで祝福ムードなの?嫁?なるわけない。第一こんな得体の知れない世界や人間?と結婚はちょっと。そもそも元の世界に帰るつもりなのだから。

「なりませんよ、お嫁さんなんて!嫁になって何すればいいかすら分かりませんし!」

「んー、そうだなぁ。戦に行く時は見送って、帰ってきた時は出迎えて…俺は側室を持っていないから、夜伽、とか?」

瞳を細めた秀吉さんの指先が、頬を撫でる。よ、とぎ…夜伽!?人間でなければ出会って間もない男に抱かれるなんて絶対嫌だ。

「嫁にはなりません!それなら私も戦います!」

「戦うって…刀を持つって事?女の子には無理だよ。それにあんたに怪我はさせたくない。」

「戦場に連れてった人がよく言いますね…!兎に角、お嫁さんは別を当たって下さい!失礼します!」

そのまま逃げる様に大広間を後にして与えられた自室へ向かった。色々な事が起こりすぎてまだ、思考が追い付かない。一旦一人で考えよう。
押入れに入っていた布団を引っ張り出し寝る支度を進める。今日の出来事を一つ一つ、振り返るように思い返しながらそのままゆっくりと眠りについた。どうか目を覚ました頃には全てが夢でありますように。
そんな一縷の望みを込めて。
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