第22章 ホロウバスティオン 後編
仕掛けを解いていき見慣れた廊下へたどり着いた私は直ぐ様リクがいた広間へと向かった
『っ!…これは、どういうことです?』
リクと戦った広間へたどり着いたがそこはもぬけの殻でまるで"事態が収まっている"様子だった
リクが守っていたあの禍々しいハートの空間も無くなり、広間で眠っていたカイリの姿もない
どういうことだ…いや、私は…
『…どれくらい、あの場所で眠っていたんです』
リクがカイリを連れてまた場所を変えたのだろうか?
…いや、リクじゃない…アンセムというやつがリクの身体を乗っ取っている
どちらにせよ私はこの場所を離れて身体を乗っ取られているリクを助け出さなければ!
「お前の出る幕はここではない」
『!?』
目の前で闇の柱がたつとその柱から黒いフードの男が現れる…そして男は数歩私に近づき指を指した
「アンセムの計画は直に失敗におわるであろう…だが我々の準備は着々と進んでいる
…あの少年はまだ利用価値がある」
『13機関っ!…少年…それって、ソラのこと?それともリク?!』
「それを知る必要はお前にはない。
お前が知るべきはただひとつ…【王であった記憶】だけだ」
なんども聞かされた【闇の王】の話
見覚えも聞き覚えもない私の記憶に何故この男はこだわるのだろう?
『…もし私が仮にそうだとしても、貴方に協力なんてしませんよ』
「…フフ、いや…お前は"誓い"に縛られている
我々に協力するのはもはや意思などいらない【運命】なのだ」
両手を広げて笑うその声は聞き覚えがなくて…私は目を見開いた
『貴方…誰?』
「……ふふふ」
手を腰へと回して蛭をかえしたフードの男は視線を横へやると、少し離れた所で闇の柱を出現させた
そしてフードの男は、こちらが自分の道だ…と目の前に闇の柱を出現させ入っていく
【その闇の向こうは"闇に負けた少年"へと繋がっている】
反響する声に私はすかさず『リク!』と反応をし、フードの男とは別の闇の柱へと飛び込んだ
【忘却の城で待ってるぞ…闇の王よ】