第22章 ホロウバスティオン 後編
階段を駆け上がったソラとドナルドとグーフィー
途中グーフィーだけが跳ね返るように広場前で転がり落ちたのをドナルドは心配そうに名前を呼んだがソラは夢中で階段を登った
たどり着いた広場の中央に緋色の少女が倒れているのが見えてソラは「カイリ!」とその少女の名前を呼びながら駆け寄った
「カイリ、カイリ!目を開けてくれ!」
カイリの上半身を起こさせて揺さぶるソラ
【「無駄だ」】そうどこからかリクの声が響きソラは視線先を目の前の太いパイプを辿れば、上から片ヒザを立ててソラを見下ろすリクの姿があった
【「その娘は心をなくして眠り続けている」】
「…お前、リクじゃ…ない?」
カイリをゆっくりと地面に寝かせてソラが問えば、リクはゆっくりと飛びはねて空中を降りて地に着地した
【「最後のプリンセスが眠っているせいで鍵穴が未完成のままだ」】
「プリンセス?…っカイリがそうだっていうのか!?」
【「その娘の力なくして鍵穴は完成せん、目覚めてもらうぞ」】
黒いキーブレードをもったリクにソラは力強く歯を噛み締めた
「勝手にリクを操って何言っているんだ!リクの心を返せ!!」
【「ならばお前もプリンセスに心を返すがいい!」】
リクがキーブレードの先をソラへと向けると、ソラの心の中の何かが反応してソラは「うあ!」と胸を握りしめると地に片膝をついた
ドナルドが心配してソラの名前を呼ぶ
「…いったい___」
【「まだわからんのか…反応しているのだよ、プリンセスの心が!
_____お前の中に眠るカイリの心が!」】
「カイリが、俺の、中に?」
ソラは背後の眠っているカイリに視線を向けるが未だ反応なく眠っている…
【「我が目は全て見通している」】
「お前、誰なんだ…」
【「我が名はアンセム、闇の探求者」】