第16章 ネバーランド 前編
__…ぃ___お…
誰かに声をかけられている…
重たい瞼をゆっくりとあげればそこにはソラの姿があった
『…ソラ?』
「よかった!ノラ目が覚めた!」
相当心配していたのか感極まってソラ私を抱き締めた
苦しい、と呟けばソラが慌てて身を離し「ごめん」とあやまったがその顔は笑顔である
『…ここは?』
「海賊船!それよりもノラはどうやってここに?」
『わかりません…ただ、誰かに助けられたんです』
ソラは一人のようで私はお供の二人がいないのを疑問に思いつつもソラの質問に答えた
するとソラは「お礼しなくちゃ」と意気込んでいて私の母親ですか、とツッコめば白い歯を見せて笑った
「俺達グミシップに乗っていたところにこの海賊船がぶつかってきて…俺、いま離ればなれになったドナルドとグーフィーを探しているんだ」
そういうことですか、そう私は理解して頷いた
『ソラ、貴方に一言謝罪しなければ…』
以前の私の行いについてソラに謝ろうと口を開いたその時だった…
「お前から来てくれるとは思わなかったよ…また会えてよかった」
声のするほうへソラと共に視線をむければ船の甲板からリクが現れる
トラヴァースタウンでの出来事とあのリクの日記のことでリクに引け目を感じる私
リクは私をみかけて「ノラもいたのか」と冷たい口調で呟く
「ドナルドとグーフィーはどうしたんだ!」
「…まだそんなことをいっているのか。
そんなに仲間が大切か?
お前が捜しているのはあの二人か?
…それとも_____」
リクが身体を横にずらすとそこには項垂れて座っているカイリの姿があった
「『カイリ!!』」
私とソラが同時にカイリの名前を呼ぶ
リクは続けるようにカイリへと指を指した
「見ろ、お前が遊んでいる間に俺はカイリを見つけたぞ」
ソラがカイリへと近づこうと駆け寄れば目の前で鋭いフックを見せつけられソラの足がとまる
「おっと!俺の船で勝手な行動は慎んでくれ」
赤い羽根つき帽子と服をきた片手フックの男がにやけ顔でソラに忠告する
それでもリクは手を出さなかった